ファイナル

 

ファイナルが合わないとどうなる?
リンクスのレースでは、筑波サーキット本コースやもてぎロードコースで耐久レースが行われますが、特にこのような(ミニバイクにとっては)ロングコースの場合、ファイナルが合っていないと全くタイムは出ません。どんなにマシンのメンテナンスをしていても!どんなに高いチャンバーを装着していも!どんなに体重を落としても!です。
わかっているようで、意外とわかっていないのがこのファイナルレシオ。このファイナルについて、取り上げてみます。
減速比とは何か?
一般的に「ファイナルがショートすぎてストレートで吹けきっちゃうんだよな。もう2丁位ロングにしてみようか・・」という使い方をされる「ファイナル」とは2次減速比のこと。じゃあ「減速比」って何でしょ?
オートバイはエンジンの回転力で走るし、前に進むけど、クランクシャフトの回転数そのままにタイヤが回っている訳じゃあないのはわかるよね。クランクシャフトの回転数はタイヤに伝わるまでに段階を経て減速されていきます。
回転力はまずエンジンからミッションに伝わり減速され(一次減速)、次にトランスミッションギアにより更に減速される。そして、最終的にカウンターシャフトの先に付くフロントスプロケットに回転力は伝わるのだけど、このフロントスプロケットとリヤホイールのスプロケットによる減速をファイナルといいます。(二次減速)この減速の比率を減速比、つまり"ファイナルレシオ"といい、一般的に「ファイナルが合わない」というのは、ファイナルレシオが合っていない事を指すんですね〜。
体感!ショート(ローギアード)とロング(ハイギアード)

例えばNSR50を例にとってみます。同じエンジンを使用した場合、フロント14 丁リヤ42丁(14-42)のファイナルと16-38のファイナルではどう違うでしょう。

筑波本コースで、もし14-42のファイナルで走ったとしたら、回転数が上がりすぎオーバーレブしていわゆる頭打ちの状態になります。いくらスロットルを開けてもマシンは走ってくれないです。(←ちょっと語弊があるかな。)バックストレッチを半分も行かないうちに6速吹けきりになるかな。「ぎゃんぎゃん」いいながら走るって感じ。この「ぎゃんぎゃん」言ってる状態を俗に「ショート」と言います。

じゃあ16-38で走ったらどうか。スタートの加速では、なかなか回転を上げるのにてこずるかもしれない。そして、他車とバトルになった時、少しパワーバンドから回 転を落として失速してしまったら、なかなか回転を戻すのが大変。「もうもう」言って"つき"が悪い感じ。でも、クリアーラップであれば、バックストレッチエンドで6速吹けきりのまま最終コーナーに進入できるハズ。(多少個人の腕の差があったとし ても) この場合、オーバーレブするまでエンジンを回しても、それ以上スピードは出 ないんです。パワーバンド内にエンジン回転数が納まらなければ、マシンは気持ちよく前に進まないのです。この「もうもう」言ってる状態を俗に「ロング」と言います。
一般的に、ロング・・最高速仕様 ショート・・加速仕様って言われます。 言葉の使い方としては「ぎゃんぎゃん言ってるから、16-38のロングにするか〜」となります。

ギア付きの自転車はリヤタイヤ側の歯車が大きいギヤの方が、出足は楽だしペダルが軽いよね。でもある程度スピードが出るとペダル1回転で進む距離は小さいから、 疲れちゃうだけでスピードはそれ以上出なくなる。そこまで行くとリヤを小さいギアに変速してやると楽だし、スピードも出るでしょ。バイクのスプロケもおんなじこと です。

スプロケットの丁数変更



リヤスプロケット丁数が一定の場合・・フロント丁数を大きくするとロングになっていきます。
フロントスプロケット丁数が一定の場合・・リヤ丁数を小さくするとロングになっていきます。
ショートにしたい場合は逆の事をすればよいです。

スプロケットの丁数を変更する時は、リヤスプロケットよりフロントスプロケットを変更する場合の方が変化の割合が大きくなります。減速比を大幅に変更したい時はフロントを変えて、リヤで微調節って感じかな。
フロントを1丁変えるのと、リヤスプロケットを3丁変更するのと同じくらいだと考えてください。

気をつけることは、スプロケットの丁数を前後の合計で3丁以上変更する場合は、チェーンのコマ数が変わってきちゃうってこと。ファイナルによって長さの違うチェーンを準備しておいた方が良いですね。

それから、スプロケットも消耗品です。長く使用していると歯がすりへって来ます。 また、製品によって、もともとゆがんでいるものもあるので、注意しましょう。(真円に近いモノがよいです)
スプロケットの話のついでに一言。チェーンは高価なものを長く使うより、安いものでもいいのでマメに替えましょう。スプロケットの状態、チェーンの状態(サビていたり)、チェーンのはり具合(強すぎても弱すぎても)が悪いと有効にパワーを伝えることが難しくなってしまいます。

ファイナルはライダーにも合わせましょ
サーキットを走る場合は、1周のタイムをいかに速く走るかが目標だから、一瞬の最高速度を求めても意味がないし、かといってストレートの大半をオーバーレブした状態で走るのはもったいない。そのちょうどいい兼ね合いを探すのがファイナルのセッティングといえると思います。
ファイナルレシオを合わせるには、基本的にはコースとマシン特性、そしてライダーの3つの要素を考えましょう。(GPなどではその日の風向き等でも変えたりするよね)
一般的にはコースのストレートの終わりにエンジンが吹けきるか、そのちょっと手前になるぐらいに合わせます。でもそうすることによってコーナーがとても走りにくくなってしまったら、ストレートを優先するのか、コーナーを優先するのかを考え決定するのはライダー自身!。
それと、自分のマシンの特性(チャンバーの種類など)によっても、パワーバンドに違いが出てきます。
あとは、ライダー自身の技量によっても(悲しいかな、回転を維持して走れるのかどうか等)、あるいは好み(ぎゃんぎゃんに回して走るのが好きなのか逆なのか)によっても変わってきます。
一番大事なのは、常にパワーバンド内を維持して走れるようにファイナルレシオを設定すること。つまり、ライダー自身が気持ちよく、楽しく走れる設定をすること!

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