耐久レースマシン対策

 

壊れないマシンを造る
日頃のスプリントレースと違い、耐久レースではいつもと違う面でもマシンに気を配りましょう。
耐久レースで特に大事なポイントをいくつか取り上げてみます。

当たり前のことなんだけど、まずは「壊れないマシンを造る」のが一番大事。
3〜4時間の耐久や、ましてや6時間の耐久レースではマシンが壊れないことが大前提。
全くのノーマル(出荷時の市販車)であれば、まず壊れてしまうということはないはず。でも、壊れてしまうチームを毎年見かけます。 なぜでしょう?
日頃のメンテナンス不足のつけがまわる!

●ピストン、ピストンリング
ピストンは使用するオイルなどによっても変わりますが、2-3時間ごとにカーボンの除去を行った方が良いです。長時間無整備で走行するとパワーダウンするどころかリングが膠着(動かなくなる)して焼き付きに至る事があります。

●ベースパッキン(ガスケット)
分解時に破れたら交換するのは当然だけど、破れていなくてもふやけて変形していたら、冷却水が滲み出すことがあるので交換するのが良いです。
NSRのノーマル(HRC部品ではない)ガスケットを使用している初心者の方。シールは、はがして使いましょうね。

●チェーン
耐久中にいきなりチェーン切れ!なんてことにならないように、チェックしておきましょう。チェーンも消耗品と考え、寿命があることを知っておきましょう。チェーンを外して、部分的に固着があったりしたら、交換するほうが良いです。但し、気をつけてほしいのは新品のチェーンは初期の伸びが大きい場合があるので、交換後、30kmほど走行したら一度チェーンの伸び具合をチェックし、必要であればチェーン調整をしましょうね。

●電装系は突然くる
マシンは走行中、常に振動しています。振動にさらされていると電装系のカプラー部分が知らない間にゆるくなっていることがあるんです。
NSRのイグニッションコイルの部分の接触不良もトラブル例がありますね。急に高回転が回らなくなったりしたら、CDIを疑うより、まずハーネスの各接触部分を調べましょう。 このようなことにならないように、耐久前は各カプラー部分やプラグキャップの中を点検しておいたほうが良いでしょう。

 

夏の耐久は特に気をつけてほし〜い!

●プラグ
耐久レース時には、プラグの熱価→番数にもちょっと気を付けよう。
自分のマシンのプラグの焼け具合を確認し、焼けすぎる傾向があるようであれば、コンマ5番番数を上げてやる(冷え型にする)などの配慮も炎天下での耐久レースでは必要です。
プラグは点火だけでなく、燃焼室の放熱という役目もあるんですよ。プラグは常に高熱にさらされているので、この熱を逃がさないとピストンヘッドが溶けちゃったりします。
【 プラグの番数 】
熱の逃がし方が遅く、焼けやすいプラグが焼け型(低熱価)。熱の逃がし方が早く、冷えやすいプラグが冷え型(高熱価)。プラグの数字が小さいほど焼け型、大きいほど冷え型。つまり、9番より10番が冷え型。
状況に合わないプラグを使うと、トラブルの原因になるので注意しましょう。熱価が低過ぎると、電極やピストンヘッドが溶けたりしますし、熱価の高いものはかぶりやすくなります。
【 プラグの締め方 】プラグの締め付け方もプラグの持つ放熱作用に大きく影響します。プラグが緩んでいると熱の逃げ場がなくなってしまうので、きちんと締めたか確認を。

●ラジエター
NSRについて言えば、できれば95以降のラジエターもしくはNSRミニのラジエターの使用を薦めます。(94以前のものより容量が大きいです)
水温は60度くらいを目安にしてほしいのですが、夏の長時間の耐久レースではこの水温を維持するのはかなり難しいです。
耐久レースでのリタイアの多くの原因はオーバーヒートに起因するものが多いんですよ。

わざわざラジエターを買わなくても、出来る事はありますね。冷却効率を向上させるためにサーモスタットは取り外した方がよいし、ラジエターのフィンがつぶれてしまった部分は空気の流れが極端に悪くなって、ラジエターとしての機能を果たさなくなるので、つぶれたフィンをドライバーで注意深く修正しましょう。
ラジエターシュラウドを取り付けるのも多少の効果があります。
特にチャンバー装着時は、高回転型のエンジンになるため、水温はしっかり管理しましょう。

●暑いからしぼる?メインジェット
夏場の気温、湿度の高い時期だからと言って、メインジェットの絞りすぎは禁物。
長時間の耐久にマシンが耐えるためには 一瞬の高性能を求めるより、より安定した状態を保つのが大事。 しぼりゃ〜いいってもんじゃないのです。

耐久トラブル対策

●キャブレター
ゴミの侵入は大敵。長時間の耐久だとなおさら何が起こるかわからない。キャブボックスを取り付けたりして、タイヤで巻き上げた小石やコースアウト時に砂や泥を吸い込まないようにする工夫が必要。

【 雨の耐久 】
耐久レースの日が1日雨・・ってこともありますよね。雨の耐久でのトラブルの例を少しだけ。
●キャッチタンク
殆どのミニバイクレースで義務付けられているガソリンキャッチタンク。実は雨の耐久で、このキャッチタンクに雨水が満タンたまってしまい、エンジンが止まってしまったというケースがあります。
キャッチタンクの取り付け方にも気を配りましょうね。雨天時は走行中もライダー交代の時にチェックしてみてください。一瞬見るだけで、トラブルを未然に防げるのですから・・

●低温焼きつき
水温を適正に保つ重要性は述べましたが、雨の耐久の場合、水温が上がらない場合があります。
雨水によってもラジエターが冷やされて、過冷却の状態になってしまいます。水温が低いまま長時間走行することで、エンジンが壊れてしまったケースがありました。水温が低い場合は、ラジエターにガムテープをはって、適正な温度を保ってあげてください。


さあ、耐久の準備は万全ですか?当日はマシンだけでなく、ライダーの水分補給も大事ですよ〜。せっかく、壊れないマシンを作っても、ライダーさんが壊れちゃったら、シャレになりません。
それから、どの耐久レースでもスタート直後は混雑します。ここで、無理をして耐久をフイにしてしまうより、落ち着いてじっくり順位を上げていきましょう。それでは、みなさまの健闘を祈ります。


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